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1994-11-16
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2KB
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34 lines
553/553 WST00364 和田 光平 背戸の馬も相口(尾張)
( 8) 94/05/06 16:36
背戸の馬も相口(尾張)
背戸とは裏口のことです.そこにつないである馬が実は問題なのです.このコトワザ
には,先行する別表現のものが存在していました. 「人食ふ馬も合い口」と言い, 人に
噛みつく暴れ馬( 暴れん坊) でも頭の上がらない人がいるもんだとの意味です.
「古代史の潮流」( 謝世輝, 原書房,1994)によると, 人類が都市国家を作ったのは
ほんの7000年前にすぎません. メソポタミアの南部で紀元前5300年頃,3メートル四方の
小さな祠が集落の中心に作られています. それが紀元前4200年になると基壇の上に10.5
×4 メートルの主堂が建てられるまでになりました. どうしてこんなことになったか.
狩猟しか知らなかった人類が栽培を覚え, 食料を蓄え始めたからです. 物を蓄える
中心が即ち神殿になり周辺が都市になります.
次に訪れた, 技術の大変革が, 馬との出会いでした. 二頭の馬にくびきを付けて引か
せる戦車を発明したのはアーリア人. この頃はまだ乗馬の技術はありません.
アーリア人は紀元前2000年頃までは, ウクライナから東ドイツにいたる地域に原住し
ていたことが今日分かっているそうです. 彼らの戦車と弓の前に, 数々の文明が倒され
て行きました. 馬と戦車の機動力がアーリア人の大移動を可能にしました.
第一波の大移動は前2000~1700年. この時メソポタミアに進出した者はヒッタイトと
なりました. 第二波は前1600年~1400年. そして第三波は前1200年でした.
ヒッタイトは, 良く知られているように前1400年頃, 可鍛鉄を発明し, その技術を
独占しました. この卓越した技術優位により, 彼らは世界に君臨する古代の大帝国を
築きました. 鉄は農耕器具としても画期的でした. それにも増して馬に靴をはかせるこ
とが素晴らしい発明でした. これで馬の力をフルに活用できるようになったからです.
馬を最初に活用し, 鉄を発明した技術立国ヒッタイトは前1200年に突如として滅びて
しまいます. 今もって謎とされる古代の不思議のひとつです.
私たちが今日普通の技術とする乗馬( 騎馬) は前850 ~800 年頃, ウクライナにおい
て, 発明されたものです. 第一に「あぶみ」次に「鞍」そして「ズボン」の三点セット
がこの頃揃いました. 「あぶみ」は足で馬を固定できるため, ひとりで馬上から, 弓を
射ることを可能にした画期的発明でした. 戦車の時代は, 騎手ひとり, 射手ひとりの
二人だったものが, 一騎で戦えるようになったのです.
東海支社)和田 光平